皆さんこんにちは、scblogでございます。お世話になります。
さて、早速ですが今回も映画レビューとなります。今回は前回までのサメ映画とはうって変わってスリラーホラー映画となっています。今回ご紹介する映画は
『ゲット・アウト』
この映画は「人種差別」と「スリラー」を掛け合わせたホラー映画となっています。
皆さんもご存じかもしれませんが、代表作の「パラノーマル・アクティビティ」「インディアンズ」「ウィジェット」などの数々の名作ホラー映画を手掛けるジェイソン・ブラムが制作し、ジョーダン・ピールが初メガホンを取ったホラー映画となっています。
この映画はこういう方にオススメです!
- ホラー映画好き
- 伏線などを考察しながら映画を見るのが好きな方
- ホラー見たいけど怖すぎるの無理な方
- 人種差別問題などに興味がある方
この映画は2022年1月現在Amazon Prime、NETFLIXで無料で見ることはできませんでした。
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ゲット・アウトって?
ストーリー
ニューヨークで写真家として活動している黒人のクリス(ダニエル・カルーヤ)は、週末に恋人の白人女性ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に招かれる。歓待を受けるが、黒人の使用人がいることに違和感を覚え、さらに庭を走り去る管理人や窓に映った自分を凝視する家政婦に驚かされる。翌日、パーティーに出席した彼は白人ばかりの中で一人の黒人を見つける。古風な格好をした彼を撮影すると、相手は鼻血を出しながら、すさまじい勢いでクリスに詰め寄り……。
解説・あらすじ – ゲット・アウト – 作品 – Yahoo!映画
キャスト
ダニエル・カルーヤ/(クリス・ワシントン)・・・主人公、黒人の身寄りのない男性
アリソン・ウィリアムズ/(ローズ・アーミテージ)・・・クリスの恋人。白人女性。
キャサリン・キーナー/(ミッシー・アーミテージ)・・・ローズの母親で催眠術が使える心理士。
ブラッドリー・ウィットフォード/(ディーン・アーミテージ)・・・ローズの父親で脳神経外科医。
ケレイブ・ランドリー・ジョーンズ/(ジェレミー・アーミテージ)・・・ローズの弟で医学生。
リル・レル・ハウリー/(ロッド・ウィリアムス)・・・クリスの親友でTSA(運輸保安庁)で勤務。黒人男性。
ラキース・スタンフィールド/(アンドリュー・ローガン・キング)・・・パーティの際に招かれた黒人男性。
ベティ・ガブリエル/(ジョージナ)・・・アーミテージ家の使用人の黒人女性。
マーカス・ヘンダーソン/(ウォルター)・・・アーミテージ家の庭管理人の黒人女性。
スティーヴン・ルート/(ジム・ハドソン)・・・盲目の画商の白人男性。
『ゲット・アウト』 レビュー
見どころその1 ホラーとはいえ人種差別、違和感による恐怖
この映画は心理ホラーや、心理サスペンス映画と言われがちだが何かわからない恐怖に見舞われている。この映画の中で起こる「ほんの少しの日常の違和感」が重なっていくとそれが大きな「恐怖」として観客を襲ってくる。
「人種差別」は最近ではタイムリーな話であり、ニュースにもなってます。黒人が白人から迫害されている風景も否定はできません。
しかし、今作では白人達に異様なまでに歓迎される黒人主人公クリス。ローズ(クリスの彼女)の父親ディーンは黒人の家政婦や庭師を雇っており、黒人であるオバマ大統領を支持していると温和な態度でクリスを家に出迎えていました。しかし、異様なまでの歓迎にクリス自身も次第に違和感を抱き始めます。
みどころその2 伏線が張り巡らされている
この映画はホラーなだけではなく、ほんの些細な出来事ですらも後々大事になることが多々あります。
わざとらしさがなく、それなのに伏線のシーンが印象的な上で斬新に仕込んであるのが素晴らしいとしか言いようがないです。伏線に関してはネタばれになってしまうのであまり言えませんが、映画の中での伏線を回収して謎に繋がった際には「そういうことだったのか!」の嵐で気持ちがいいことこの上ないです(笑)
ローズ家に向かう途中にはねた鹿
映画の冒頭で鹿をはねるシーンがあるのですが、最初のこのシーンですら伏線でした。しかもかなり大切なシーンです。
クリスがまだ幼いころにクリスの母親はひき逃げに遭い命を落としました。その際にクリスは家で留守番をしており、帰りが遅いことがわかりながらも何も行動せずじっと家で待つことにしていました。その際に自分が行動を起こしていれば母親が助かっていたかもしれないという後悔を今でも引きずっています。
これを元に考察すると車で鹿をひき殺してしまったことによりクリスはひき逃げの記憶を呼び戻そうと計画したアーミテージ家の策略だと思われます。
そしてこの轢かれた鹿はメスでありブラックバックという種類です。「Black Buck」は「Token Black」、「Magical Negro」に似た粗暴さで白人女性を襲う黒人男性に対するスラングでもあります。
それだけではなく、鹿は(=Deer)「彼女を作ろうとして失敗した男」のスラングであります。最初の鹿を轢いた時点でクリスのこの先に起こる出来事を暗示していたんですね。
事故した際のローズのクリスへの優しさの真意・・・
鹿を轢いた際に、白人警察が運転をしていないクリスに運転免許証の提示を要求します。
クリスは運転免許証を提示しようとしますが、ローズに「運転していないあなたが提示する必要はないわ」とクリスを庇ってくれますが、これにも裏がありました。
クリスが行方不明になった際に免許証を提示することでローズと行動していることが記録に残ってしまいます。それを恐れたローズはクリスの運転免許証の提示をさせないようにしたのです。
ローズの父の言葉の本当の意味とは・・・
最初にローズの家族と顔合わせをした際に父親ディーンとクリスが話をする際に伏線の数がえげつない程ありました。
家の中を説明している時に使用人の話をする場面があるのですが、「父と母が死んだとき、使用人を手放すことができなかった」とかなり温和な父親だなと映画を見ていたのですが、ところがその使用人は中身が祖父と祖母に代わっていたからの発言でした。
「祖母はキッチンが好きだった・・・、だから祖母の1部をここにそのまま残してある」という発言もしています。これも祖母の遺品などが置いてあるわけではなく、祖母の「脳」が使用人と共に残っているという事だったんですね・・・。意味がわかると怖い発言です・・・。
アーミテージ家から禁煙を勧められる理由・・・
クリスはアーミテージ家で禁煙を勧められます。何度か吸おうと思いますが母親ミッシーに止められてしまいます。それは何故か・・・?
ミッシーはクリスの催眠に影響が出て欲しくないため、禁煙を勧め催眠で煙草を吸えない身体にしました。また、クリスの身体の価値を下げないように禁煙を勧めたという説もあります。
映画に何度も登場する「たばこ」「綿」の意味
この2つは黒人奴隷の時代を象徴するものとなっています。
黒人奴隷は白人にいい様に使われ、毎日たばこ、綿の栽培を強いられていました。この2つの黒人差別を表現したものになっています。
クリスがローガンへ求めたグータッチ・・・
クリスがパーティで黒人男性のローガンと会った際にローガンにグータッチを求めるシーンがあります。ここのシーンでローガンはクリスのグーを包むように握手をします。これが何を意味するか・・・?
黒人の中ではグータッチを交わすことは習慣であり、白人にはあまり知られていません。そこから考えるにローガンの中に入っている人間は黒人ではなく白人が入っている・・・ということがわかります。
ローガンや使用人が帽子を被ったりかつらを被っていた理由は・・・?
クリス以外の黒人が皆帽子を被っていたのは何故なんでしょうか?そして、ジョージナーに関しては帽子は被っていませんでした。しかし、幾度と髪型を気にするシーンがあり、かつらであるという事がわかっています。
彼らは頭の手術痕を隠すために頭を帽子やかつらで覆ってたんですね。
カメラのフラッシュ
何故カメラのフラッシュによって一瞬我に返る事ができたのか?
それは2014年に黒人男性が白人警察官によって暴行を受けている様子を周囲の人がスマートフォンで撮影していたことにより黒人側が裁判に勝つことができたという事例がありました。この事からスマートフォンのカメラによって真相が暴かれるといった事を伝えたいのだと感じました。
何故携帯の充電を抜かれていたのか・・・?
クリスの携帯電話の充電コードが何度もジョージナによって抜かれてしまいます。これは携帯電話のカメラのフラッシュが元の人間の意識を戻してしまう事を知っていたための行動であると考えられます。カメラのフラッシュを使われないために充電の妨害をしていたという事です。
ローズが牛乳とシリアルを別々に食べていた理由・・・
ローズがクリスの次に狙う黒人をネットで探している際にシリアルを食べているんですが、シリアルと牛乳を別々で食べるという描写がありました。
これは白いものとそれ以外のものを分けて食べるという差別主義的な考え方を表現しています。
逃亡の際に車内にあった鉄仮面は・・・?
映画の最初に黒人男性ローガンが夜道を歩いていると白い車が通りすぎ、鉄仮面をした男が首を絞めて窒息させて拉致されます。
その男は誰だったのか・・・?それはローズの弟のジェレミーであることがわかります。
クリスが逃亡する際に扉付近でジェレミーに首を絞められ窒息されかけます。この時の窒息のさせ方がローガンを窒息させた時の方法と全く一緒なのです。そして、ジェレミーのポケットから取った車のキーは白い車であったこと、助手席に鉄仮面があったことからジェレミーがローガンを誘拐したという事がわかります。
『ゲット・アウト』 まとめ
今回は『ゲット・アウト』についての映画レビューをしていきました。
この映画は黒人がどれだけ白人から迫害されてきたかという事を主張しているとても考えさせられる映画となっています。
監督の制作意図を汲み取りながら映画を見るとより一層面白くなりそうですね。
気になった方は是非ご覧ください!今回はこの辺りで失礼いたします。では!
伏線回収皆さんもしてみてくださいね!(笑)
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