『アス』自分たちが襲ってくる違った怖さ。新時代ホラー【映画レビュー】

スポンサーリンク

皆さんこんにちは、scbブログでございます。お世話になります。

今回ご紹介していく映画は

『アス』

です。この映画は前記事にご紹介した『ゲットアウト』を制作したジョーダン・ピール監督の2作品目となっています。

簡単にこの映画を説明すると、自分自身のクローンに襲われる映画です。

自分のクローンが襲ってくるという斬新な設定のストーリーと、散りばめられた伏線、そして最後に残る疑問、謎・・・。この様に、様々な要素を含めている今作はホラー業界の新時代を築いていると言えるでしょう!まだ視聴されてない方は是非ご覧ください!

こういう方にオススメの映画です!

  • ゲットアウトの監督の新作が見たい方
  • ホラー見たいけど怖すぎは無理という方
  • 伏線回収が好きな方

今作はU-NEXT、Amazon prime、NETFLIXにて視聴可能です。

U-NEXTは30日間無料キャンペーンをしているので無料で視聴することが可能です!

スポンサーリンク

アスって?

ユニバーサル・ピクチャーズ公式-youtubeより

ストーリー

「ゲット・アウト」がアカデミー賞にノミネートされ、脚本賞を受賞するなど大きな話題を集めたジョーダン・ピール監督が、自分たちとそっくりの謎の存在と対峙する一家の恐怖を描いたサスペンススリラー。夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンとともに夏休みを過ごすため、幼少期に住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れたアデレードは、不気味な偶然に見舞われたことで過去のトラウマがフラッシュバックするようになってしまう。そして、家族の身に何か恐ろしいことが起こるという妄想を次第に強めていく彼女の前に、自分たちとそっくりな“わたしたち”が現れ……。

アス : 作品情報 – 映画.com (eiga.com)

キャスト

アデレード・ウィルソンとレッド/(ルピタ・ニョンゴ)・・・幼い頃にそっくりさんと遭遇。今は夫子供2人と暮らす。

ゲイブ・ウィルソンとアブラハム/(ウィンストン・デューク)・・・アデレートの夫。楽観的な考え方

ゾーラ・ウィルソンとアンブラ/(シャハディ・ライト=ジョセフ)・・・アデレートの娘、陸上をやめたが足は速い。

ジェイソン・ウィルソンとプルートー/(エヴァン・アレックス)・・・アデレートの息子、仮面大好き

キティ・タイラー/(エリザベス・モス)・・・ゲイブの友人家族の女性

ジョシュ・タイラー/(ティム・ハイデッカー)・・・ゲイブの友人家族の男性

ベッカ・タイラー/(カリ・シェルドン)・・・友人家族の双子姉妹

リンジー・タイラー/(ノエル・シェルドン)・・・友人家族の双子姉妹

この映画の見どころ

見どころその1 アメリカの社会問題(差別、格差社会など)を題材にしている

前作『ゲットアウト』でも黒人差別を題材にした映画を製作していましたが、今作でもその表現の仕方を最大限に発揮しており、社会問題を含めたストーリーとなっています。

見てみればわかるのですが、ホラーというよりスリラー寄りな映画です。宗教(キリスト教)やアメリカの社会問題(格差社会、黒人への迫害)を多く含んでいてとても考えさせられる映画です。アメリカの中での富裕層と貧困層の違いを、地上の人間と彼らの負の部分のみを切り取った地下のクローン人間の対比で表現している事が今作の重要部分だったに違いありません。

何も知らない状態で映画を見るとスリラーホラーとしか見ることができないですが、それだけでも十二分に楽しめる作品です。アメリカの社会問題を知っておくとかなりのめり込める作品です。ホラーの中に社会問題を散りばめて取り込めるの技術には脱帽です。

見どころその2 監督がコメディアンということもあり少し笑える部分あり

ジョーダン・ピール監督の本業はコメディアンです。監督は前作『ゲットアウト』の時のインタビューでこう言っていました。

「お笑いとホラーは紙一重」

その為、単なるホラーとして仕上げることがなく、ダサい演出を敢えて出したり、王道の展開、タッチ、ストーリーを上手く外しているのがとても良いです。

単なるホラー、ありきたりなホラーに飽き飽きした方にはオススメしたい作品かもしれませんね(笑)

見どころその3 前作同様に伏線が凄い

ジョーダン・ピール監督は伏線を作品の中に入れるのがとても上手いと思います。

本作もあちらこちらに伏線が散りばめられています。これらの伏線を回収できればより一層『アス』への理解が深まり、この映画の楽しさがわかると思います。伏線をここで理解し、2度目の『アス』をご視聴すると尚面白いかもしれません。

最初の大量のウサギはなんなのか?何故ウサギ?

冒頭部分の大量の檻に入ったウサギはなんなのか。アメリカではウサギという生き物は無限に増えていくという意味で使われる事があり、地下の人々は管理されることがなく、無限に増えていっているという意味が込められているのかもしれません。

あるいは、実験動物にもよく使われるウサギとクローン人間をイコールで組み合わせる為にウサギを登場させたのかもしれません。

度々登場する11の意味とは?

今作の中で数多く登場するこの「11」という数字には一体どういう意味が込められているのか。

冒頭部分にも出てくる「エレミヤ書11章11節」の段ボールを持った男や、時計の11時11分になった際に家族が襲われたりというシーンが出てきました。

これらは、全て「エレミヤ書11章11節」の中身に意味が込められており、その聖書にはこう書かれています。

「それゆえに主はこう言われる、見よ、わたしは災いを彼らの上に下す。彼らはそれを免れることはできない。彼らがわたしを呼んでも、わたしは聞かない。」

11節以前の内容も含めると「人々が神様の言う事を聞かないから災いを起こす。災いが起きて助けを求められてもわたしは助けないよ」という意味に取れます。災いとは「クローン」の事だと考えられます。

また、神=地上の人間という考え方もあり、地下室のクローン達からの助けを無視したためにクローンからの逆襲に遭ったとも言えると思います。

海辺で手に血が付いた男が立っていたシーンがありましたがあの時点からクローン達の逆襲は始まっていたという事になりますね。

「ハンズ・アクロス・アメリカ」とはなんなのか?差別用語?

冒頭のTVCMで流れる「ハンズ・アクロス・アメリカ」とは1986年5月25日にアメリカの大西洋側の東海岸ニューヨークから太平洋側の西海岸カリフォルニアまで人々が手を繋いだ現実で本当にあったチャリティイベントです。

貧困者、親のない子供を救うべくして行われたチャリティイベントで参加者は10ドルを払って手を繋いでいき、15分間の人間の輪を作りました。しかし、参加者の自己満足とか実際に問題は全然解決されてないことにより偽善イベントとまで言われていました。

クローン達がこのイベントを行う事は「ハンズ・アクロス・アメリカ」を批判又は皮肉を込めてやっていたと考えられます。

そして何故「ハンズ・アクロス・アメリカ」を行ったのか?そこにはレッドが関係してくると思われます。レッドが地下に連れ去られた年代は1986年で見てたCMが「ハンズ・アクロス・アメリカ」でした。そのためこのイベントを行ったと思われます。

アデレードが迷子になった時間は15分

何故15分という設定にしたのか?これは、先ほどの「ハンズ・アクロス・アメリカ」の人間の輪を作った時間と同じになっているのです。

設定が細かいですねぇ・・・。

何故元アデレード(現レッド)は地上の人だったのにあんな声なのか?

これに関しては映画の終盤辺りでアデレードのクローンに首を絞められたときに喉が潰れかかったことにより声が出にくいようになったのだと考えられます。

そして、クローンのアデレードが地上に行ったわけですが言葉なんてものがわかるはずもないので無口になるのは当然のことです。アデレードの家族が言葉を話せなくなったと心理士さんに話をしていましたが、あれはショックでもなんでもなくて単に言葉を知らなかったために話せなかったのです。

レッドの終盤での説明が無くてもアデレードが元クローン人間だとわかるシーン

レッドが地下室でアデレードと会った際にクローン達についての説明をされていましたが、あのシーンが無かったとしてもアデレードが元クローンだったのではないか?というシーンがチラホラ出ていました。

アデレードはテイラー夫婦の娘に襲われた際に狂気にまみれた方法で殺害します。

その際にジェイソンにその現場を見られますが見られたことに対して何も言う事はなく、一緒にその場を去りました。普通だったら自分の子供にそんな狂気を見られたら何かしらジェイソンに対して、いう事があってもいいはずでは・・・?と思います。

シーンはそれだけではなく、途中から躊躇なくクローンを殺害するようになったアデレード。そして、服が血で赤くなっていってました。そして、クローン達は地上の人間を襲う際は赤い繋ぎの服を着ていました。

それは、アデレードが元々地下室側の人間であるという事を暗に示していると考えられます。

何故クローンの凶器はハサミなのか?

クローン達の凶器はハサミでした。しかし何故ハサミなのでしょうか?

ジョーダンピール監督はこう言っています。

「ハサミは恐怖の象徴としてホラー映画で使用されたから」また、「ハサミは左右対称であって二重性を持っている。」と言っています。

二重性とは、日常生活で使うものでありながらそれ以外(凶器)としても使用することができるという事です。

監督は、ハサミが二重性を強く強調したいが為にハサミを使用したと考えられます。

地下へのエスカレーター

アデレードが地下室に行く際にエスカレーターに乗って地下へ行くシーンがありましたが、この際に地下へと続くエスカレーターが下りしかありませんでした。

これは、1度貧困層になるとそこから這い上がるという事は不可能だという考え方が世界的にも絶望感として広がっていっているのではないかという風に考えられます。

まとめ

今回は、「アス」についての映画レビューをしていきました。

前作「ゲットアウト」に匹敵する作品に仕上がっており、映画にのめり込まれました。

これからもジョーダン・ピール監督の作品には期待したいものですね。

この映画が気になった方は是非ご視聴ください!

では今回はこの辺りで失礼します!

コメント

タイトルとURLをコピーしました